お店にとって一番痛手なのは
従業員が辞めることです。
経営者や店長にとっても辛いことですよね。
それも優秀な人ほど辛さも増します。
せっかく育った従業員が辞める、ということは
また新たに雇い（採用コストがかかる）、
教育（教育の手間がかかる）が
必要となります。
莫大な時間とお金のコストがかかります。
できれば１日も長く続けてもらいたい、と思うのが
店長や経営者にとっての希望です。
しかし、この希望が無惨にも失われてしまうことがあります。
それが人間関係を理由に退職されることです。
仕事内容ならわかりますよね。
「あ〜やりがいを作ってあげられなかったな・・・
次はいる人たちにとっても絶対に良い組織にしよう」
と経営者や店長も反省をして次に繋げようと思うでしょう。
しかし、人間関係となると許せない気持ちになります。
なぜなら自分がそこに関与していないからです。
毎日毎時毎分毎秒一緒にいてあげることが不可能なだけに、
ある程度は野放しにしなければいけないのが、
人間関係です。
中でも私もよく相談を受けるのが、
「○○さん（お局さん）とうまくいかなくて・・・もう限界です。」
こう言ったのは弊社新規クライアントのあるスタッフです。
私が訪問した時に、
「先生ちょっといいですか・・・？」
「えっどうしたんですか？」
といきなり声をかけられてもう驚きです。
本人は、表情もとても暗く何かに悩んでいる様子です。
嫌な予感がするな・・・
あ〜きっと何か人間関係で悩んでるんだろうな・・・
と思ったら的中しました。
案の定
「○○さんとうまくいかないのですが、
私の何が悪いと言うのでしょうか。
あの人いったい何なんですか？？
なんであんなに偉そうなのですか？？」
と悩み半分、逆切れ半分と言ったところでした。
私は一言「お気持ちはわかります。
○○さんから色々言われたんですね。
これからどうするんですか？」
と聞くと
「辞めようと思っています・・・」
と言いました。
え〜〜〜っ、ですよ。
私はこの時に、何と答えたのか。
知りたいですか？
今回は特別に一部を公開します。
先に結果をお話しましょう。
この方は結局会社を辞めませんでした。
今でも続けています。
では具体的に何をしたのか。
ポイントは、３つあります。
１）離職をしようと思っている人を引き止める策を考える
２）お局さんが作った派閥を自然消滅に導く
３）お局さんが生まれない体質を作る
この三点です。
どれか一つでもかけてはいけません。
（今日は２を中心にお話します）
そもそもなぜお局さんが登場するのか。
それは、前回も書いたのですが、
ひとそれぞれ持つ欲求の違いです。
お局気質の方は、「力の欲求」がとても強いです。
この力の矛先が「組織を支配すること」に繋がると
お局主体の村が出来上がります。
自分が居心地の良い空間を作ることで
自分の居場所を確立しているのです。
そして、自分の意と反する人は排除しようとします。
ここまでものすごくドライに書いていますが、
現実にそうだなと実感しています。
中には突然涙を流す人もいます。
これまでに誰にも相談できなかった、と。
そうですよね。
店内で言ったら誰かに告げ口されて
ますますエスカレートするかもしれないですからね。
他にも弊害があります。
スタッフが常にお局さんに気を使い、
心身ともにすり減らしながら、
会社の理念や事業内容関係なく、
仕事のモチベーションが下がってしまうのです。
しかし、お局さんは仕事もできるので、
会社としては辞められては困る、という特徴もあります。
だから表立って注意できない、という現象になるのです。
お局気質の方は、
常に誰かに必要とされたいし、
常に誰かを支配したい、という欲求があります。
これが力の欲求です。
ではこの状況を変えるにはどうしたらいいのか？
悩んでいる人も、お局さんも両者が辞めずに
気持ちよく働いてもらうための方法を考えてみてください。
お局さんの給料を上げますか？
→あまり変わらないでしょうね。
それとなく店長から声をかけてみますか？
→誰が言ったのですか？と逆に詰め寄られるでしょう。
他に、どんな方法が考えられるのでしょうか。
今日は特別に一つだけ私の答えを紹介しましょう。
それは、
〜欲求の矛先をずらす〜
これが一番重要です。
今日はこの矛先をずらす、という点でこれまた
今日は一つだけ事例を紹介します。
私が、行ったのは、違う役割を与えることです。
あるクライアントでは、お局さんを徹底的に忙しくします。
そうすることで組織内に気を使う余裕を奪うことです。
人を操っているような誤解を与えてしまうと嫌なのですが、
ちょっともう少しおつきあいください。
組織にとって何が得策なのかというと、
優秀だけれども人間関係に難のあるお局さんに
さらに役割を与えて忙しくしてもらうことで、
優秀を超優秀に導きます。
そうすることで、お局さんも力の欲求の矛先を
仕事に傾けることができるので、
結果的に欲求は満たされます。
別に給料を上げなくても、
店長自らが交渉しなくても良いのです。
むしろこんなことしたらさらに状況は悪化します。
さらに、一人では抱えきれないほどの仕事なので、
自然と周りに協力を得なくてはいけなくなります。
この想定内を超える仕事量を与えることがポイントです。
私は「○○さん（お局さん）は私が出会った人の中でも
とびきり仕事ができる方なので、
今月からはもっと重要な仕事に就いてください」
と言えば、力の欲求が強いので、
この欲求を満たすアプローチをします。
すると、ほぼ１００％の確率で、
「そこまでいうならやります」
と乗り気ではないのですが、しっかりと対応してくださいます。
ただし一言必ず確認をします。
「一人で何でもかんでもやろうとしないでくださいね。
周りの力も借りながら進めてください。」
と伝えます。
そうすることでコミュニケーションが自然と生まれていきます。
ここまでで一つおわかりになったと思います。
お局さんは「力を持て余していた」ということです。
だから仕事ではなく組織内で欲求を満たそうとしていたのです。
この矛先を仕事にずらすことで、
コミュニケーションは自然と円滑になるのです。
よくお局さんが生まれやすい仕事は、
ルーティーンが多い仕事
工夫よりもマニュアルを重視する仕事から生まれます。
だから、ルーティーンに工夫を取り入れる仕事の仕方や
違うプロジェクトに入ってもらう
（会社的にも重要な案件）ことで、
力の欲求の矛先を変えることができます。
私はこのようにして自然とお局さんが築き上げた
コミュニティを消滅させていきます。
今日は一つの中の一つを紹介しました。
他にも色んなタイプのお局さんがいると思います。
一つの手法では通用しない、ということがあるため
一人一人のタイプと適性を見極めながら
アプローチする必要があります。
私はこの仕事を専門にしているので、
どのタイプの方と出会っても変えることができます。
あなたの組織にお局気質の方いらっしゃいますか？
いるのだとしたらぜひ「力の欲求の矛先を変える」
という視点で仕事を振ってみてください。
もちろん中には優秀すぎて、
多くの仕事を振ってもやりこなして変わらない人も出てくるでしょう。
ほら・・・この手法は通用しない、ということになりますね（笑）
共通しているのは「力の欲求」なので、
いかにこの欲求を満たせるか、が重要になります。
ぜひ一度じっくり考えてみてください。
お局さんも悪い人ではないのです。
ただ欲求が今の組織構造ではうまく満たせないだけなのです。
とても優秀な方々が多いので、
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